梯久美子 著
<内容>
「大久野島毒ガス資料館(広島)毒ガス製造と使用の知られざる歴史」
「予科練平和記念館(茨城)大空に憧れた少年たちの「特攻」」
「戦没画学生慰霊美術館 無言館(長野)遺された絵が語りかける青春の美術館」
「周南市回天記念館(山口)若者を兵器として扱った「人間魚雷」の実態」
「コラム 戦跡を訪ねて 土地は歴史を記憶する(太平洋戦争末期の激戦地硫黄島/民間人の悲劇が起きたサイパン島/地上戦で20万人の命が失われた沖縄/地上の国境があった島サハリン(樺太)」
「対馬丸記念館(沖縄)子どもたちを乗せて沈んだ疎開船の悲劇」
「象山地下壕(松代大本営地下壕・長野)本土決戦に備えて掘られた巨大な地下壕」
「東京大空襲・戦災資料センター(東京都江東区)記録することで記憶をつなぎとめる」
「八重山平和記念館(沖縄)知られざる戦争マラリアの実相を後世に残す」
「原爆の図丸木美術館(埼玉県東松山市)絵の前に立ち、死者からの問いを受けとめる」
「長崎原爆資料館(長崎)いまこそ学ぶべき核兵器の惨禍」
「稚内市樺太記念館(北海道)戦争で手に入れた領土で起きたこと」
「満蒙開拓平和記念館(長野県下伊那郡阿智村)「国策」がもたらした8万の死」
「舞鶴引揚記念館(京都)シベリア抑留の帰還者を迎えた町」
「都立第五福竜丸展示館(東京都江東区)市民が守った被ばく漁船を展示」
「コラム インターネット上の戦争アーカイブ 学びを深めるためのサイト(中国新聞のヒロシマ平和メディアセンター/NHK戦争証言アーカイブス/アメリカ合衆国ホロコースト記念博物館のウェブサイト)」
<感想>
戦争をテーマとした施設のガイドだけでなく、戦没者と当時者の証言も相まって、興味深い読み物になっている。
「若者を兵器として扱った特別攻撃作戦(桜花、回天、震洋、伏龍)の実態」「戦闘のなかった八重山の島々で多くの民間人が犠牲になった戦争マラリアの実相」「樺太/サハリンの歴史」「国策として実施された満蒙開拓団苦難の歴史」「存在自体を隠蔽された軽巡洋艦・矢矧の悲劇」等々、勉強になった。
しかし、沖縄県平和記念資料館も広島平和記念資料館も知覧特攻平和会館も靖国神社遊就館も載ってない。残念だな。