<内容>
2014年9月27日11時52分、突如として御嶽山が噴火した。登山ガイドである著者は頂上付近で被災しつつも生還できた。
その決死の脱出行と教訓をもとに、噴火から2年後に記した書籍『御嶽山噴火 生還者の証言』に新章「噴火から10年」を加筆・増補し文庫化したもの。
「第1章 運命の一日」 「第2章 噴火の実態」
「第3章 噴火の爪痕」 「第4章 噴火の教訓」
「文庫増補分 第5章 噴火から10年」
<感想>
噴火に遭って生死の狭間を体験し、噴石が飛び交う地獄絵図を見た生還者の証言は貴重だ。何が生死を分けたのだろうと思わずにいられない。
著者には中央アルプスの救助隊員と登山ガイドのスキルがあったが、それが無ければ正しい判断をする猶予は一瞬だ。圧倒的な自然の脅威、大災害の前では、運が全てだと思い知った。そして異常事態になったとき、自分の命は自分が守るしかない、命を守る行動力が必須と教えられた。
噴火の恐ろしさと生還できた理由、そこから学んだ教訓など、勉強になった。一読の価値がある良書だと思う。