川瀬七緒 著
装画 丹地陽子
<内容>
「ゆりかごの行方」「緑色の誘惑」「ルーティンの痕跡」「攻撃のSOS」と書き下ろし「キラー・ファブリック」「美しさの定義」を収録した短編ミステリ集。
<感想>
極端に涙もろい34歳の桐ケ谷京介は、服飾職人や弱小工場と世界のブランドを繋ぐアパレルブローカー。服のシワとか姿勢を見て健康状態を言い当て、生地を見せれば全てが分かる。
彼の相棒の水森小春は、26歳で商店街にあるヴィンテージショップを任されていて、その筋の目利きやゲーム実況者としても有名。小春は彼を心優しき闇落ちキャラと言い放つ。
そんなふたりが未解決事件専従捜査対策室の捜査に協力し、服飾分野から犯人に迫っていく。浮かび上がってきた事実を繋げ、ふたりの知識が思いもよらない相乗効果を生み、真相に辿り着くのだ。
肘外偏角には性差がある、トーナス変化、重度の蕎麦アレルギーと交差反応など、勉強になった。
服飾分野と筋肉に興味がある方の期待を裏切らない短編ミステリだと思う。
未解決事件専従捜査対策室の南雲隆史警部とその部下である八木橋充巡査部長、桐ケ谷と小春は、相性の良いチームだな。続編が楽しみだ。
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