2022年08月31日

戦争は女の顔をしていない 1

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 原作
小梅けいと 画
清水螺旋人 監修

<内容>
ノーベル賞作家スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの『戦争は女の顔をしていない』を漫画化したもの。

「第1話 従軍洗濯部隊政治部長代理ワレンチーナ・クジミニチナ・ブラチコワ・ボルシチェフスカ中尉の話」
「第2話 軍医エフロシーニヤ・グリゴリエヴナ・ブレウス大尉の話」
「第3話 狙撃兵クラヴヂヤ・グリゴリエヴナ・クローヒナ上級軍曹とマリヤ・イワーノヴナ・モローゾワ(イワーヌシュキナ)兵長の話」
「第4話 衛生指導員マリヤ・ペトローヴナ・スミルノワと看護婦アンナ・イワーノヴナ・ベリャイの話」
「第5話 高射砲兵クララ・セミョーノヴナ・チーホノヴィチ軍曹と通信兵マリヤ・セミョーノヴナ・カリベルダ軍曹、斥候リュボーフィ・イワーノヴナ・オスモロフスカヤ二等兵の話」
「第6話 一等飛行士アントニーナ・グリゴリエヴナ・ボンダレワ中尉と航空隊クラヴジヤ・イワーノヴナ・テレホワ大尉の話」
「第7話 書記エレーナ・ヴィレンスカヤ軍曹と、機関士マリヤ・アレクサンドロヴナ・アレストワ、射撃手ローラ・アフメートワ二等兵の話」

<感想>
ロシアでは大祖国戦争と呼ばれる第二次世界大戦の独ソ戦(1941〜1945)を描いており、彼女たちは祖国防衛のために立ち上がった志願兵だった。
第1話は、1941年キエフの孤児院から始まる。そこにはスペイン市民戦争の1937年にソ連へ連れてこられた子供たちがいた。成長したらロシア兵にされるのかな。そして洗濯部隊の女の子たちはみなベラルーシとウクライナから来ていた。
戦争が終わったとき、ワレンチーナ・ブラチコワは、ドイツの村の縫製工場に残っていたミシンを彼女たちにプレゼントしたそうだ。
ソ連軍は満州でも、膨大な賠償金の支払いのために日本が無傷で温存した施設や設備を取り外し、ごっそり持ち去った。そして2022年、ウクライナでもロシア軍兵士は同じことをやっている。この国の本質って変わらないな。
第2話は、1941年ミンスク市の姉妹2人の別れから始まる。ドイツに進軍したとき、ある村の女性2人が戦争なんかないみたいに庭でコーヒーを飲んでいるのを見て、ベラルーシはすっかり荒廃してみんな草を食べているのにと怒っていた。
現在ウクライナは、国の存亡をかけてロシアと戦っている。ミサイル攻撃にさらされているウクライナ人も、戦争なんかないみたいに暮らしているロシア人に対して同じ気持ちだろうな。
第3話は2人1組で働く狙撃兵の話。ウクライナの村で焼け焦げた味方の死体を見てからは、ドイツ兵をいくら殺しても哀れみの気持ちは起きなかったそうだ。
第4話は、戦火をくぐって負傷者を救う話。第5話から第7話は、女が兵士であることの不都合を描いている。
原作は、従軍した元女性将兵たちへのインタビュー集とのこと。読んでみたいと思った。
満足度 3.gif



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posted by ももた at 09:01| 東京 🌁| Comment(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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