コートニー・サマーズ 著
高山真由美 訳 「SADIE」
カバーイラスト Add your name
<あらすじ>
米国コロラド州の田舎町コールド・クリーク。3日前に行方不明届けが提出されていた13歳の少女マティ・サザンの遺体が、火災現場近くの林檎園で発見された。警察は少女殺害の犯人を見つけられなかった。
その後、マティの6歳違いの異父姉で吃音のあるセイディ・リラ・ハンターが失踪した。
マティの死から1年後、トレーラーパークの管理人で、姉妹の祖母代わりでもある68歳の白人女性メイ・ベス・フォスターが、ラジオの人気パーソナリティであるウェスト・マクレイに、セイディを連れ戻して欲しいと頼む。
マクレイは、コールド・クリーク近隣の町の過疎化や貧困について取材したばかりだった。ラジオ番組の特集としてセイディの失踪に取り組み、事件の真相を追う。
セイディは最愛の妹を殺害した義父への復讐を狙っていた・・・
<感想>
不幸な生い立ちの少女の孤独な闘いを描いた、面白いミステリだと思う。
マクレイによるセイディの追跡劇、つまりラジオ番組とセイディの復讐劇を交互に描き、セイディが経験した醜悪な出来事と事件の真相が明らかになって行く。そして、アメリカ社会の格差と暗部を浮き彫りにしている。予想していたこととはいえ、貧困とネグレクト、性的虐待が相俟って、胸が痛くなる。救いも無く、中途半端な終わり方だと思った。
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