2020年10月05日

満潮

オリヴィア&スティルトン・シリーズ @
シッラ&ロルフ・ボリリンド 著
久山葉子 訳 「SPRINGFLODEN」

<あらすじ>
2011年夏、ストックホルム。2人の若者によるホームレス暴行事件が4件も立て続けに起きていた。若者たちは、暴行の一部始終を撮影し、ネット上で公開していた。警察はメディアへのアピールのために、ルーネ・フォシュ警視率いる捜査チームを編成する。
一方、警察大学3年生のオリヴィア・レンニングは、夏休みの課題として1987年にノードコステル島で起きた未解決事件を調べていた。
それは優秀な捜査官だった亡父アルネが捜査していた事件で、満月の大潮の晩夏、若い妊婦が全裸で砂浜に生き埋めにされて溺死した残酷な事件だった。地元新聞によれば、9歳の少年ウーヴェ・ヤードマンが犯行を目撃していたが、容疑者は挙がっておらず、被害者の身元も判っていなかった。
オリヴィアは、当時捜査を率いていたトム・スティルトンの話を聞くため、メッテ・オルセーテル警視に彼の居所を尋ねるが、彼は専門鑑識官の妻マリアンネと離婚して警察を辞め、その後行方不明になっていた。
そこでオリヴィアはノードコステル島へ渡り、当時の捜査状況を調べ、エスコート会社の経営者ジャッキー・ベルグンドに疑惑の目を向ける。
そうした中、ホームレスの女性ヴェラが殴り殺された。ホームレス仲間のイェッレは独自調査に乗り出す。KFという文字の刺青を手掛かりにキッド・ファイターズを割り出し、ストックホルムの地下でやっているケージファイト、子供を金網のケージに入れて闘わせるイベントに辿り着く。
同じ頃、コスタリカの小さな海沿いの村で身を隠していたスウェーデン人男性が、ノードコステルの復讐をすべく動き出していた・・・

<感想>
父が解けなかった謎を追うスカッドミサイルこと、オリヴィアの妄想じみた行動は波紋を呼び、捜査打ち切りとなったノードコステル事件と失踪事件、ジャーナリスト殺害事件だけでなく、現在のホームレス暴行・殺害事件、失踪していた実業家の殺害事件など、政財界と裏社会の大物が絡む事件が次々と明らかになって行く。
捜査の中心となるのは、国家犯罪捜査局のメッテ・オルセーテル、警察官志望の学生とホームレスの2人組、カジノのディラーであるアッバス・エル=ファッシ。彼等と関わるメッテの夫で引退した小児精神科医のモーテン、情報屋ミンケン、古書店店主ロンヌなど、ユニークなキャラクターが多彩に登場し、とても楽しい。
そして終盤には、意外な真相と家族の秘密という衝撃が待っている。
巧みなプロットとテンポの良いストーリー展開に人間ドラマが相俟って、凄く面白い警察ミステリだと思う。
このシリーズは、2016年7月末の時点で4作目が刊行されているそうだ。なぜ日本では続編が出ないのだろう。不思議だ。2作目『Den tredje rosten』(3人目の声)が待ち遠しくてならない。
満足度 5.gif

   


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posted by ももた at 08:46| 東京 ☔| Comment(1) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
憲法改正を急ぐ理由を知って下さい
突然の書込み失礼致します。
この度は皆様に知って頂きたい事があり、誠に恐縮ですが書込ませて頂きました。

マスコミが大きく報じぬ中、連日中国の日本領海侵犯が増大し、尖閣侵略を狙っている現状を、
中国に侵略虐殺を受けるチベット等の姿と重ね今多くの方にどうか知って頂きたいです。

戦後日本を弱体化させる為、アメリカが作成した日本国憲法施行後、韓国が竹島を不法占拠し、その際日本の漁船を機関銃で襲撃し、多くの船員が死傷しました。

北朝鮮は国民を拉致し、日本全土を射程に入れるミサイルを数百発配備しており、尖閣には中国艦艇が侵犯する現状でも、憲法の縛りで日本は国を守る為の手出しが何一つ出来ません。

現在まで自衛隊と米軍の前に中国や北朝鮮の侵攻は抑えられて来ましたが、米軍がいつまでも守ってくれる保証は無く、時の政権により米軍が撤退してしまえば

攻撃されても憲法により敵基地攻撃能力が無い自衛隊のみでは、日本はチベットと同じ道を辿りかねません。

9条の様に非武装中立を宣言しても、平和的で軍事力の弱かったウイグル等を武力で侵略し、現在進行形で覇権拡大を行い「日本の領海を力で取る」と明言している中国や、

核ミサイルで日本を狙う北朝鮮、内部工作を行う韓国が尖閣等から侵略の触手を進めているからこそ、GHQの画策により戦う手足をもがれた現憲法を改正し、

自立した戦力と抑止力を持たなければ国民の命と領土は守れないという事を
中韓側に立ち印象操作で国民を煽動する野党やメディアの姿と共に
一人でも多くの方に知り目覚めて頂きたいと切に思い貼らせて頂きます。
https://pachitou.com
長文、大変申し訳ありません。
Posted by aki at 2020年10月05日 18:55
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