2019年04月23日

荒野にて

ウィリー・ヴローティン 著
北田絵里子 訳 「Lean On Pete」

<あらすじ>
15歳の少年チャーリーは、堪え性がなく家を空けることの多い父親のレイとオレゴン州ポートランドへ引っ越してきた。父子の仲は良いが、母親はチャーリーが赤ん坊の頃に家を出ていた。
レイが新しい恋人リンのところに何日も外泊し、食べ物も所持金もなくなり、チャーリーは仕方なく万引きする。
ランニング中に、ポートランド・メドウズという寂れた競馬場を見つけ、老年の調教師デルの手助けをしたところ、バックヤードの仕事にありつく。5歳の競走馬リーン・オン・ピートを可愛がり、悩みを打明けるようになる。
そうした中、レイがリンの夫に殺されてしまう。舟状骨炎になったリーン・オン・ピートも殺処分することが決まる。チャーリーはピートを家畜用トレーラーに載せ、無断でデルのトラックに連結してフリーウェイに乗り、南を目指す。ワイオミングへ行き、音信不通になっている伯母マージ―を探すことにした。
ところが荒野の真ん中でトラックがエンストしてしまう。チャーリーは仕方なくピートを連れて荒野を歩き始める・・・

<感想>
映画『荒野にて』の原作である。オレゴン州ポートランドからワイオミング州ララミーに至る、孤独な15歳の少年の旅路を簡潔な文章で描いており、アメリカの広大さと格差を実感できるだろう。そして読者の感動を呼ぶ、凄く面白い小説だと思う。
真面目で礼儀正しく、誠実であろうとする少年は、生存するために仕方なく万引きをする。年齢を偽り、日銭を稼ぎ、無免許運転もする。気の許せる話し相手は、競走馬リーン・オン・ピートしかいない。
「いつだってお腹が空いている」という言葉に胸を突かれた。生きるということは食べることだった。不憫でならない。
しかし、そんな読者の気持ちにお構いなく、少年はただひたすら目的地に向かって前進する。自暴自棄になることもなく、数々の困難と不運と障害を乗り越え、諦めない姿に感動した。映画も観てみたいと思った。
満足度 5.gif



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posted by ももた at 09:00| 東京 ☁| Comment(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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