2018年09月19日

魔導の矜持

Sword of dignity
真理の織り手・シリーズ B
佐藤さくら 著
装画 岩本ゼロゴ

<あらすじ>
ラバルタ内乱の停戦から7年後、カデンツァ自治区の境界線付近で再び武力衝突が起きていた。魔導士への迫害も日に日に悪化していた。
そうした中、私塾が村人に襲われ、16歳になってもまだ半人前の魔導士デュナンは、私塾きっての問題児アース、入塾したばかりの9歳のルーティとパスカル、この3人の弟妹弟子を連れて魔導士狩りから必死に逃げていた。
力尽きて行き倒れていたところ、バースフィールド領の貴族の庶子ノエとその森番で元騎士のガンドに拾われる。
デュナンは咄嗟に魔導士に追われていると嘘をつき、ルーティの祖父に保護を求める心算だと言ったところ、ノエは送り届けようと申し出る。
かくして、父から無能者の烙印を押された青年と戦争のトラウマを抱えた大人とガンドの飼い犬ルー、変な子だと呆れられてきた魔導士と魔導士の卵による国境越えの逃避行が始まった・・・

<感想>
どうやらこのシリーズは、作品ごとに主人公が違うようだ。内容も1作目はレオンとゼクス師弟の修業と絆、魔導士の反乱を描いた戦争物、2作目は学園物で友情とエルミーヌの魔導士の復活を描いており、本書は落ちこぼれ集団の逃亡劇。
巻を重ねる度、キャラクター造形が巧くなっている。
運命を切り拓いていく魔導士を描いた、とても面白いファンタジーだと思う。
そして「生まれついての落ちこぼれで、努力しても全然ついていけなくて、それでも必死に生きている人間がいる。頑張ってない人間なんかこの世にいるもんか!」というデュナンの叫びが心を打つ。
信頼に応えたい、気弱な自分に勇気をくれた存在を守りたいという思いが人間を成長させる。弱くて臆病で落ちこぼれだけど、もがきにもがいて必死に生き抜けば自分を好きになれる。試練を乗り越えたとき、運命が変わり、未来が開ける。そんな希望が芽生え、勇気を貰うと同時に感動した。続きが楽しみでならない。
満足度 5.gif



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posted by ももた at 09:15| 東京 ☁| Comment(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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