2018年05月15日

テーラー伊三郎

川瀬七緒 著
装画 千海博美

<あらすじ>
福島県にある中途半端な田舎町。市営団地でポルノ漫画家の母とふたり暮らしの男子高生、津田海色(アクアマリン)は、母のアシスタント作業をこなしているせいで、ドレスや下着の一部を見ただけで名称や時代、階級まで推定できた。
10月のある日、登校途中に、古臭くて時代遅れの正統派英国紳士服の仕立て屋「テーラー伊三郎」のウィンドウに飾られたコルセット、コール・バレネの造形美に心奪われる。
そして職人気質の頑固な82歳の老人伊三郎は、18世紀の特殊下着を武器にして、長い人生を歩んで最後に辿り着いた魂の単独闘争を目論んでいた。
騒然となる町内を尻目に仕事の見学に通ううち、伊三郎に服飾文化の知識を買われたアクアは、店のプロデュースを任される。コール・バレネの売り出しにどっぷり浸かり、訛りが強いスチームパンク女子高生の明日香や町に埋れていた凄腕の職人らを巻き込んで「テーラー伊三郎」のリニューアルオープンを目指すが・・・

<感想>
舞台は相互監視体制で成り立っている田舎町。主人公は、出奔した父親が極左の活動家で家は貧乏、自分の名前と母親の職業のせいで半ば人生を諦めている少年。あらゆるものに女性差別問題を絡めて攻めてくるクレイマー女史、商店街を牛耳っている商工会長、凄腕の手芸家兼拝み屋の老婆など、強烈な個性を放つキャラクターが多彩に登場し、話を盛り上げている。
服飾文化の蘊蓄は興味深く、コルセット革命を適視する人たちとのバトルや詰将棋は痛快だと思う。
満足度 3.gif



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川瀬七緒 『紅のアンデッド 法医昆虫学捜査官』  『フォークロアの鍵』
   


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posted by ももた at 09:18| 東京 ☀| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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