雨宮処凛 著
<内容>
「はじめに」 「第1章 どうして難民・移民の人たちは日本にいるの?」
「第2章 難民・移民の人たちはどんな生活をしているの?」
「第3章 難民・移民の子どもたちは何に困っているの?」
「第4章 日本の難民・移民政策って? 入管ってどんなところ?」
「第5章 難民・移民の人たちに、私たちができることは? 「難民・移民フェス」の仕掛人・金井真紀さんに聞く」
「おわりに」 「難民・移民の人たちについてもっと知りたい」
<感想>
難民とは、「人種、宗教、国籍、政治的意見または特定の社会集団に属するという理由で、自国にいると迫害を受ける恐れがあるため他国に逃れ、国際的保護を必要とする人々」で、移民には法的な定義はないが、「国籍国を離れて、一定期間、別の国に住む人」とのこと。日本の難民申請者は1万人を超えたが、難民認定率は低い。
本書では、祖国ミャンマーで民主化活動をしてきたイスラム系少数民族ロヒンギャの男性、来日15年目にして在留資格を失い難民申請をしたチリ人男性、在留資格を失い2度目の難民申請中に出産した来日10年の女性など、難民申請を却下された仮放免者を取り上げ、その窮状を訴えている。公的支援は原則1回目の難民申請の人に限られ、難民申請が却下されると打ち切られるそうだ。
なぜ彼らは就労もできない仮放免者のまま何年も日本にいて、子供を産み育て、難民申請を繰り返すのだろう。なぜ入管は彼らを仮放免者のままにしておくのだろう。本書を読んでもその答えは見つからない。
外国人は強制送還を逃れるために難民申請を悪用し、仮放免者は在留特別許可を得るために子供を産み育て、在留資格更新10年を経て永住権が欲しいのかな。
著者は日本を「難民に冷たい国」と言っている。非正規滞在外国人は難民認定率の低い日本に見切りをつけ、難民認定の緩い国へ行った方が幸せだと思う。