2024年09月26日

ボタニストの殺人

ワシントン・ポー・シリーズ D
M・W・クレイヴン 著
東野さやか 訳 「THE BOTANIST」
カバーイラスト 柳智之

<あらすじ>
女性差別主義者のケイン・ハントが、生放送中のトーク番組で突然倒れ、搬送先の病院で死亡した。ハントは押し花の入った脅迫状を受け取っており、毒殺だった。
一方、ポーのもとにノーサンブリア警察から電話があり、父親を銃殺した容疑で病理学者エステル・ドイルを逮捕したと告げた。ポーは直ちに現地へ駆けつける。
エステルの両手には射撃残渣があった。父親が殺害された時刻は雪が降っていて、家の外についていた唯一の足跡はエステルのものだった。
同じ頃、下院議員ハリソン・カミングスのもとに、押し花の入った第2の脅迫状が届いた。議会・外交保護チームが24時間監視態勢でカミングスを警護するが、犯人はそれをかいくぐって彼を毒殺した。
そしてボタニストを名乗る犯人は、次の殺人を仄めかし、盗聴スキャンダルで一生を棒に振った元ジャーナリストでアルコール依存症のヘニング・シュタールをパイプ役に選んだ。
ポーはブラッドショーとフリン警部に合流し、ドイルの事件と連続毒殺事件の捜査に挑む・・・

<感想>
ポーとブラッドショーとフリン警部、この3人のチームワークが好い。ユーモアのある文章とテンポの良いストーリー展開で楽しく読ませる。好奇心をそそる伏線も見事だ。
西表島のエピソード、ばね足ジャックことバーネットソンの逮捕劇、射撃残渣と雪密室の謎、連続殺人犯ボタニストの犯行動機とその手口などが相まって、凄く面白いミステリだと思う。
しかし、犯人探しの楽しみはあまりないな。
第6作目『The Mercy Chair』と第7作目『The Third Light』が待ち遠しいな。
満足度 4.gif


posted by ももた at 08:56| 東京 ☁| Comment(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年09月24日

HUNTER×HUNTER bR8 結成

冨樫義博 作

<あらすじ>
暗黒大陸へ渡航中の船内。カキン王国王位継承戦は、王子たちにマフィア、ヒソカを捜索中の幻影旅団も抗争に加わり、増々激化して行く。
その最中ノブナガは、諦めと怒りが原動力だった幻影旅団結成当時を追懐する・・・

<感想>
ゴンもキルアもレオリオも登場しない。クラピカとヒソカは顔見せ程度だ。そして、相変わらず文字が多くて解り辛い。
しかし、幻影旅団(通称クモ)結成の経緯を描いており、それだけでも面白かった。ファンにとって価値のある1冊だと思う。
満足度 4.gif


ラベル:冨樫義博 星4
posted by ももた at 08:35| 東京 ☁| Comment(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年09月20日

技術者たちの敗戦

前間孝則 著

<内容>
「第1章 三菱零戦設計チームの敗戦 堀越二郎・曾根嘉年の敗戦」
「第2章 新幹線のスタートは爆撃下の疎開先から 島秀雄の敗戦」
「第3章 戦犯工場の「ドクター合理化」 真藤恒の敗戦」
「第4章 なぜ日本の「電探」開発は遅れたのか 緒方研二の敗戦」
「第5章 翼をもぎとられた戦後 中村良夫の敗戦」

<感想>
戦争を体験した日本を代表する技術者たちの人物像を描いており、当時のことや専門的な知識が無くても面白く読ませる。
「戦記物のブームと零戦伝説」「新幹線鉄道の実現と戦前の弾丸列車計画」「真藤イズムと独自の倫理観その栄光と挫折」「戦時中に大卒3年目で皆目解らないジェットエンジンの開発をやらされた中村良夫とホンダのF1参戦」等々、勉強になった。
そして、日本の将来を見据え粉骨砕身する男たちの挑戦は凄いと思った。
満足度 5.gif


posted by ももた at 08:30| 東京 ☀| Comment(0) | ノンフィクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
読んだ本の紹介と感想、評価を書きました。