ワイオミング州猟区管理官ジョー・ピケット・シリーズ PC・J・ボックス 著
野口百合子 訳 「Vicious Circle」
<あらすじ>
猟区管理官ジョー・ピケットに強烈な恨みを抱いているダラス・ケイツが、刑期を終えて出所し、町に戻ってきた。
そして無職の怠け者のハンター、デイヴ・ファーカスが、ジョーの留守電に警告の伝言を残して、自分のエルク・キャンプから姿を消した。
ジョーは民間航空パトロールに同行して、ファーカスの捜索に当たる。セスナの燃料切れのため帰還直前、赤外線装置で殺人の瞬間を目撃する。
その翌日、ファーカスの銃殺体を発見した。ファーカス殺害の証拠が出揃って、ダラスは逮捕された。
そんなとき、ピケット家の次女エイプリルのルームメイトが、腕にタトゥーを入れた女に襲われた。
そして、ワイオミング州で最も悪名高い刑事弁護士マーカス・ハントがダラスの弁護を引き受け、義母のミッシーがミセス・ハントとして町に戻ってきた。
やがて、スパイヴァク保安官代理が証拠に細工したと判明し、ダラスの起訴は取り下げられた。
その頃、ジョーの盟友で鷹匠のネイト・ロマノウスキは、無法の世界から足を洗って真面目に働いていた。姿を消したバーテンダーの他殺体を発見する。
そんな中、ピケット家に危機が迫っていた・・・
<感想>
正義感の強いジョー・ピケットは、金銭尽くで心の捻じれた独善的な母親に育てられた若者に同情するが、最愛の家族を守るために復讐と非難の応酬を止めるべく反撃する。
古い馴染み同士が動かしている遅れた司法制度と法廷劇、クズ白人扱いされてきた田舎の無法者一家の復讐劇、ジョーの盟友ネイト・ロマノウスキの参戦などが相まって、とても面白い長編小説だと思う。
本国では24作目『Three-Inch Teeth』が出ているそうだ。そして日本では、18作目『The Disappeared』と19作目『Wolf Pack』が2025年に出版予定とのこと。楽しみでならない。
満足度

posted by ももた at 08:38| 東京 ☁|
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