<あらすじ>
17歳の少年・桧山光希の周りにはいつも幽霊がいた。見えたし話すこともできたが、中学3年の1月のあの日以降、どちらも出来なくなった。
7月20日の終業式の朝、全財産約26万円を所持して広島から東京に家出した。10月19日の誕生日になったら、区役所に分籍届を提出するのだ。
7月30日、家出11日目の朝、足場工事会社の須田陽平社長と、見た目がヤンキーなその社員・奥隼人と頭島丈と出会い、拾って貰った。その日から雑用のアルバイトを始め、奥から格安でアパートも提供して貰った。その後、見習い社員になる。
やがて、先輩の頭島が一緒にいるときだけ、再び幽霊が見えることに気づく。
かくして休日は奥が無料で引き受けてきたゴーストバスターズ、またはトラブルシューティングの何でも屋の予定が入り、忙しい日々が始まる・・・
<感想>
特殊能力を持つ主人公と、見た目や持ち物はヤンキーだけど面倒見の良い奥隼人と、見えない幽霊を触れる探偵役の頭島丈が解決する心霊案件は全部で5件。
オカルト現象から始まり、実害が起きている怪奇現象、シェアハウスのストーカー事件、オカルト絡みの業務営業妨害事件と続き、最終話は動物の幽霊が登場する。そして主人公が抱えていた問題も解決する。3人のやり取りが楽しく、読後感の良い連作短編集だと思う。
しかし、物分かりの良い幽霊しか登場しない。設定も家出少年にとって幸運だらけで都合が良すぎると思う。

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