2023年06月30日

大名倒産

人気ブログランキング
人気ブログランキング
原作 浅田次郎
監督 前田哲
出演 神木隆之介 杉咲花 佐藤浩市 小日向文世 宮アあおい 石橋蓮司 
浅野忠信 松山ケンイチ 小手伸也 桜田通 キムラ緑子 梶原善
勝村政信 田延彦 藤間爽子 カトウシンスケ 秋谷郁甫 ヒコロヒー

<あらすじ>
江戸時代、越後・丹生山藩。鮭役人・間垣作兵衛の息子、小四郎はお人よし過ぎて商売上手とは言えないが、皆に愛され平穏に暮らしていた。
ところがある日、大勢の役人たちが家にやって来て、小四郎は徳川家康の血を引く丹生山藩主の跡継ぎだと衝撃の事実を告げられた。そして実の父・一狐斎は小四郎に国を任せ、さっさと隠居してしまう。
実は丹生山藩は、25万両(およそ100億円)もの借金を抱えるワケあり藩だった。一狐斎は全ての責任を小四郎に押し付け、切腹させる心算だった。
困り果てる小四郎に一狐斎は、返済日に藩の倒産を宣言して借金を踏み倒せば皆助かるという「大名倒産」を命じるが・・・

<感想>
人生最大のトラブルに巻き込まれた若き殿様の奮闘を描いており、分かり易いストーリー展開と、役者の熱演(過剰な)で見せる。
しかし、製作者の意図が透けて見えて笑えない。観客席からも笑い声が聞こえない。最後までシーンとしていた。
日常の憂さを晴らし、単純に爆笑したかっただけなのに、当てが外れたな。
満足度 2.gif


人気ブログランキング
人気ブログランキング
浅田次郎『大名倒産』   天野純希『猛き朝日』
 

人気ブログランキング
人気ブログランキング
posted by ももた at 09:22| 東京 ☁| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年06月28日

アオサギの娘

ヴァージニア・ハートマン 著
国広喜美代 訳 「THE MARSH QUEEN」

<あらすじ>
スミソニアン自然史博物館勤務の36歳の鳥類画家ロニ・メイのもとに、12歳も年下の弟フィルから電話があり、転んで手首を骨折した62歳の母ルースに認知症の症状が出てきたので、長期休暇を取って故郷フロリダに帰ってきて欲しいと頼まれた。
8週間の育児介護休暇を取ったロニは、介護施設にいる母を訪ね、「ボイドの死についてあなたに話しておかなくてはいけないことがあります」と書かれた手紙を見つける。
ボイドというのは、ロニが12歳のとき沼地で溺死した父のことで、彼は漁業局の野生動物保護管理官だった。上司のフランク・シャペル局長の取り計らいによりボートの事故死とされたが、町の噂では自ら死を選んだとも言われていた。ロニは手紙の差出人ヘンリエッタを探す。
そうした中、母が年金を全部騙し取られていたと判る。そして、実家の隣人で漁業局の通信指令係だったマーヴィンとその妻ジョリーンが、行方不明になっていた。更に調べていくと、父が溺死した後、漁業局副局長ダン・ワトソンが至近距離からショットガンで顔を吹き飛ばされていた。
ロニとフィルの妻タミーは協力して、父の死の真相を追うが・・・

<感想>
スミソニアンで働く人々のエピソード、カヌーで湿地巡り、ロニ母娘のぎくしゃくした関係、ロニと女友達の友情、ロニのロマンスなどを描き、面白く読ませる。それに脅迫とストーキング、ワニ騒動や不気味な鳩の事件が相まって、サスペンスフルだ。
また、親がひとりで暮らせなくなったとき、家族が直面する親の財産管理と介護や経済的な問題も興味深い。
そして適切な伏線が散りばめられているので、ミステリ好きは容易に真相に辿り着けるだろう。家族小説の色合いが濃い長編ミステリだと思う。
満足度 4.gif


人気ブログランキング
人気ブログランキング
『特捜部Q―カールの罪状』  『熱砂の果て』
   

人気ブログランキング
人気ブログランキング
posted by ももた at 09:13| 東京 ☀| Comment(1) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年06月23日

塔の少女

冬の王2(3部作)
キャサリン・アーデン 著
金原瑞人/野沢佳織 訳 「THE GIRL IN THE TOWER」
カバーイラスト 海島千本

<あらすじ>
14世紀半ば、モスクワ大公国。大公ドミトリーは、モスクワの東にあるバーシニャ・カステイ(骨の塔)の領主カシヤンの嘆願により、残虐な盗賊集団の討伐に向かう。
討伐隊の後方には、10年前にルーシ北部の小さな村レスナーヤ・ゼムリャを出て戦う修道士アレクサンドルとなった、領主の次男サーシャがいた。
セルプホフ公妃でもある妹のオリガは、危険な旅に出るサーシャを気遣い、魔女嫌いのコンスタンチン司祭から聞かされた故郷の悲劇を伝えなかった。
モスクワの街を後にした討伐隊は、跡形もなく焼き尽くされた村々を通過し、途中でカシヤン一行と別れ、2週間後の夜明け頃、ラヴラの修道院に辿り着く。そこには、焼け出された村人たちが大勢避難していた。
一方、壮絶な戦いの末、故郷に居場所を失った領主の次女・ワーシャは、冬の王マロースカから与えられた若き雄馬ソロヴェイと供に、田舎の少年の恰好をして旅に出た。その道中、タタール人の盗賊集団の野営地に忍び込み、浚われた少女たちを救出した。怒った盗賊たちに追われて修道院に逃げ込み、サーシャと再会する。
ワーシャは大公に気に入られ、サーシャの弟として討伐隊に加わるが・・・

<感想>
舞台となるのは、氷に覆われた中世の粗野なモスクワ大公国。女の人生は結婚して母になるか、修道女になるか、それしか選択肢がない。貴族の女と生娘は、屋敷の塔の中で暮らしている時代。そして不思議なものたちがいる世界。
自由に自分らしく生きようとする少女の、向こう見ずで怖いもの知らずの冒険と戦い、成長を描いており、人を愛せば不死身でいられなくなる冬の王マロースカとワーシャの絆、ハン国の脅威と不死身の魔術師カスチェイの謀略、兄妹の母方の祖母タマーラとカシヤンのエピソードなどが相まって、凄く面白い長編ファンタジーだと思う。
そしてオリガの娘マーリャも、ワーシャと同様に祖母の血を受け継いでいることが判った。続編が楽しみでならない。
満足度 5.gif


人気ブログランキング
人気ブログランキング
『その罪は描けない』  『卒業生には向かない真実』
   

人気ブログランキング
人気ブログランキング
posted by ももた at 08:57| 東京 ☁| Comment(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
読んだ本の紹介と感想、評価を書きました。