2023年01月30日

ニッポンの国境

西牟田靖 著

<内容>
「プロローグ」
第1章 国境の誕生 国境の誕生と領土のルール/あいまいな日本の領土」
第2章 戦後の復興と領土問題の発生 東西に分離されていたかもしれない日本/サンフランシスコ講和条約という爆弾」
第3章 冷戦の道具にされた島々―北方領土編/日本政府と北方領土/日本とロシアの影響力/四島返還へのこだわりが生んだもの」
第4章 日韓に打ち込まれた楔―竹島編 日本と韓国の温度差/密約とアメリカの影」
第5章 隔離された島々―尖閣諸島編 自由に行けない政治的秘境/動き始めた「禁断の島々」」
「エピローグ」

<感想>
日本の国境の成立過程や現在の領土に落ち着くまでの概略、領土問題の火種となったサンフランシスコ平和条約の盲点とダレスの楔、アメリカの対日政策、領土問題に関する韓国とロシアの認識、島の歴史と現地ルポなど、興味深く勉強になった。
日本の領土問題を考える上で、入門書になると思う。
しかし、本書の発行は2011年、つまり現地ルポはそれ以前のものだった。少し古いかな。
満足度 4.gif



人気ブログランキング
『僕の見た「大日本帝国」』 山本皓一『中国・ロシアに侵される日本領土』
   


人気ブログランキング
posted by ももた at 09:11| 東京 ☀| Comment(0) | ノンフィクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年01月27日

炎の爪痕

ジミー・ペレス警部シリーズ G 完結編
アン・クリーヴス 著
玉木亨 訳 「WILD FIRE」
カバーイラスト 松田真由美

<あらすじ>
英国シェトランド本島の北側にある集落デルタネス。
ロンドンから家族と共に移住してきたヘレナ・フレミングは、農場の前の持ち主デニス・ギアが納屋で首吊り自殺して以来、誰かが家に侵入して奇妙な絵が描かれている紙片を残していくことに悩まされていた。
また、建築家の夫ダニエルは鬱病を抱えており、11歳の息子クリストファーは自閉症スペクトラム障害だった。フレミング一家は、地元住民の悪意ある噂話の標的になっていた。
そこでヘレナは、非番のペレス警部の家を訪ねて非公式に相談する。
その翌日、クリストファーが、納屋で若い女性の首吊り死体を発見した。
現場の光景は、家に匿名で届けられた絵にそっくりだった。首吊り死体は、ロバート・モンクリーフ医師一家の住み込みの子守りエマ・シアラーだった。
首吊り死体発見直後に現場に駆け付けたペレスは、自殺に見せかけた他殺だと確信する。インヴァネス署の主任警部ウィロー・リーヴズに来てもらい、部下のサンディ・ウィルソン刑事と共に捜査に当たるが・・・

<感想>
ペレスたちが捜査するのは、暴力に付き纏われていた若い女性と、嫉妬や妬みから逃れられなかった中高年女性の殺害事件。被害者と加害者と事件関係者の家族の問題が明らかになって行く。シェトランド諸島の風土と登場人物たちの心理を丁寧に描いており、味わい深く読み応えがあった。
巧妙なプロットと伏線が相まって、凄く面白い本格的な英国ミステリだと思う。
そして本書は、CWA最優秀長編賞受賞作『大鴉の啼く冬』から始まった本格ミステリ・シリーズの最終巻である。当初は、画家フラン・ハンターが主人公だった。それが第4作目で殺害されてしまい、衝撃を受けた。本書でもそのことに言及しているが、完結してみれば、しっかりジミー・ペレス警部シリーズになっている。その人間ドラマも面白いシリーズ物だと思う。シリーズ完結は残念でならない。
満足度 5.gif



人気ブログランキング
『軋み』   『ゴールドマン家の悲劇』
  


人気ブログランキング
posted by ももた at 10:44| 東京 ☀| Comment(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年01月25日

日本全国お雑煮レシピ

地元に行って、作って食べた
お雑煮研究家・粕谷浩子 著

<内容>
「お雑煮ワールドにハマってしまうわけ/お雑煮とは/全国お雑煮MAP」

Part1 基本のお雑煮レシピ お雑煮の基本 コラム(東京 日野 土方歳三の雑煮)/まるまるさんかくしかく♪/ご当地野菜/だし文化炸裂! コラム(お餅のカタチ分岐点・もち米作り押しかけ農業体験記・好みのもち米を発見しよう!)」

Part2 変わりダネのお雑煮レシピ 変わりダネ雑煮 コラム(お雑煮話から始まる物語)/THEシンプル雑煮!/おみそなお雑煮/スイーツなお雑煮 コラム(粕谷のナンパスタイル)」

Part3 具材が特徴的なお雑煮レシピ 漁師町のお雑煮/具だくさん!ぜいたく雑煮/お肉が主役のお雑煮 コラム(ジビエ料理!?鴨肉雑煮)/ご当地練り物雑煮/あん餅雑煮さまざま」

<感想>
今年はホームベーカリーで作った餅を雑煮にして食べた。案外おいしくて、正月に食べる料理だけど休日のメニューに入れようと思った。
本書でも餅が入った汁物をお雑煮と定義している。日本全国を見渡せば、餅の形状や出汁の種類だけでなく、味付けや具材の内容もバラエティーに富んでいて勉強になった。そしてコラムも面白い。全ページカラーなので見るだけでも楽しい本だと思う。
満足度 3.gif



人気ブログランキング
『まいにち豆腐レシピ』  『まいにち生姜レシピ』
      


人気ブログランキング
posted by ももた at 09:17| 東京 ☀| Comment(0) | ノンフィクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
読んだ本の紹介と感想、評価を書きました。