<あらすじ>
27歳の美容師・陽向と、飲料メーカー勤めの5つ年上の夫・健次は、多感な時期を過ごした街を心の底から恨んでいた。
父親のいない越智エリカは、1977年8月15日に愛媛県伊予市で生まれた。小さい頃から絶対に男を信用するなと言われて育った。瀬戸内海に面したこの街から出て行くのが夢だった。
しかし、スナックを経営する母・美智子が逃がしてくれなかった。10代のエリカは、母と同じようにシングルマザーとなった。父親の違う子供を3人も生み、母子が暮らす団地の一室は、行き場のない少女たちや不良少年たちの溜まり場になって行く。
そうした中、茹だるような猛暑だった2013年8月、事件は起きた・・・
<感想>
読了後、胸が痛くなる。感情をコントロールできない人間が怖くなった。
二度と起きてはいけない、悍ましく残虐非道な事件を描いており、ネグレクト、性的虐待、弱い者虐め、家庭内暴力、男に翻弄される母親、家庭の歪みと共依存、祖母から母へ娘へと続く負の連鎖、忌み嫌う親の遺伝子と生育環境、閉鎖的な性差別、少年少女の非行、集団ヒステリー等々、考えさせられたな。

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