2022年11月14日

エリザベス女王の事件簿 ウィンザー城の殺人

エリザベス女王の事件簿 @
S・J・ベネット 著
芹澤恵 訳 「THE WINDSOR KNOT」
カバーイラスト くぼあやこ

<あらすじ>
2016年4月、ウィンザー城で女王主催の宿泊晩餐会が開催された。
その翌日、晩餐会に呼ばれた若きロシア人ピアニストのマクシム・ブロツキーが遺体で発見された。王室のスキャンダルを防ぐため箝口令が敷かれ、ロンドン警視庁とMI5が捜査に乗り出す。
しかし、その日城内には容疑者が50名もいて、捜査は難航する。
やがてブロツキーは、プーチン体制のロシアを批判する匿名のブログのブレーンだと判る。MI5長官ハンフリーズは、潜入スパイによる内部犯行説を主張し、王室の職員をひっそり個別に呼び出して尋問する。
一方、御年90歳の女王陛下は、城内に恐れと不安が影を落としていることをひしひしと感じていた。そこでナイジェリア系の若き秘書官補ロージー・オショーディを呼びつけ、極秘調査に乗り出す・・・

<感想>
政財界の大物や権力者を後ろ盾にした探偵小説は良くあるが、本書はエリザベス2世御本人が名探偵役ということで期待した。
でも女王が指示を出し、実際に動くのは新任の秘書官補ロージーと女王の元護衛官ビリー・マクラクランだった。彼らが駆けずり回って探し出した情報を基に、知略に富んだ凄腕の政治家である女王が警視総監やMI5長官を誘導し、完全に関連性がないと思われていた3つの殺人事件(ロシア人の若者と中国経済の専門家と女性歌手)の真相を解明して行く。
王室の公務、英国人気質、日本の皇室との違いなどが相俟って、とても面白いと思う。
また、王室の負の歴史、メルケルとプーチン、国家の敵とみなした者を暗殺するプーチンとその取り巻きたち、中国の一帯一路経済構想と借用書ベルト地帯にも言及しており、このご時勢とても興味深い。
続編『THE THREE DOG PROBLEM』が楽しみだな。
満足度 4.gif



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posted by ももた at 08:59| 東京 ☀| Comment(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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