ロバート・ソログッド 著
高山洋子 訳 「The Marlow Murder Club」
装画 北住ユキ
<あらすじ>
英国はイングランドの中南東部バッキンガムシャー州にある、古い家並みが美しい小さな町マーロー。
77歳のジュディス・ポッツは、テムズ川に面している敷地に建つ古い煉瓦作りの一軒家で、自由気儘なひとり暮らしを楽しんでいる。退屈しのぎにクロスワード・パズルを作って収入を得ており、庭の隅にあるボートハウスから直接テムズ川に入り、宵闇に紛れて全裸で泳ぐのを日課としていた。
真夏のある夜、ジュディスがテムズ川で泳いでいると、地元の美術商ステファン・ダンウッディの家から男の叫び声が聞こえた。その直後、鋭い銃声を耳にする。ジュディスの通報により、パトカーが来るも警察官はろくに調べもせずに走り去った。
翌日、不審に思ったジュディスはステファンの地所へ行き、額に銃弾の穴がある死体を発見する。誰かがステファンを殺したと事件担当のタニカ・マリク巡査部長に訴えるが、彼女は想像力に欠けている典型的な首席タイプの女性だった。自分の考えを否定されたジュディスは素人探偵に乗り出す。
そうした中、ひとり暮らしのタクシー運転手イクバル・カサムが射殺された。イクバルとステファンの死には類似点があった。そして、第3の殺人が起きる可能性もあった。タニカは、ジュディスの言い分が正しいのではないかと思い始める。
やがて、犬の散歩代行者スージー・ハリスと司祭夫人ベックス・スターリングがジュディスの仲間になり、「マーロー殺人クラブ」が誕生する。彼女たちは互いの得意分野を生かし、知恵を出し合って、連続殺人事件の真相を暴いていく・・・
<感想>
濃い灰色のケープを羽織って自転車で走り回る、背が低くて小太りなジュディス・ポッツは、町では変わり者として噂の種になっている貴族風の老婦人。向こう見ずな性格のスージー・ハリスは、がっしりした体格の中年女性。地元の不動産に興味があって、フィットネス運動やヨガもやってきたベックス・スターリングは完璧な主婦。この3人組の活躍を描いた、凄く面白いコージーミステリだと思う。
アガサ・レーズンやワニ町シリーズ開幕時と同じ衝撃を受けたな。
2作目『Death Comes to Marlow』が楽しみでならない。
人気ブログランキング