2022年09月16日

とむらい家族旅行

サマンサ・ダウニング 著
唐木田みゆき 訳 「He Started It」
カバーイラスト QUESTION No.6

<あらすじ>
モーガン兄妹の母方の祖父が、莫大な遺産と奇妙な遺言を残して亡くなった。
その遺言とは、20年前、ベスが12歳のとき、祖父と孫たちだけで行ったアメリカ横断ドライブ旅行と同じルートを辿り、終着点の砂漠に遺灰を撒けば、兄妹は莫大な遺産を平等に貰えるのだ。
彼らの過去の旅は、危険な秘密を孕んだものだったが、ベスの6歳年下の妹ポーシャは、この遺産で学資ローンを返済できる。そしてベスには、遺産を貰うだけでなく、他の目的があった。本来は兄妹だけですべきことだが、結婚している2歳違いの兄エディーが妻クリスタを連れて来たので、ベスも夫フェリックスを連れて来た。
こうして滅多に会わず、ろくに信頼もしていない兄妹とその配偶者たちは、弁護士が用意したGPS搭載のレンタカーで旅立つが・・・

<感想>
訪れる州は16州、一風変わった観光名所に立ち寄る20年前のアメリカ横断ドライブ旅行と、現在の完全再現ドライブ旅行を交互に描き、ロード・ミステリとしても楽しめる。
祖父の目論見、妨害工作、兄妹の両親と少女失踪事件など、謎めいた展開になっており、最後まで読者を惹きつける。
巧妙なトリックと狂気、どんでん返しの連続に衝撃的なラストが相まって、凄く面白いサスペンス小説だと思う。
満足度 4.gif



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posted by ももた at 09:00| 東京 ☀| Comment(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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