小梅けいと 画
清水螺旋人 監修
<内容>
ノーベル賞作家スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの『戦争は女の顔をしていない』を漫画化したもの。
「第8話 人間は戦争よりずっと大きい」
「第9話 狙撃兵マリヤ・イワーノヴナ・モローゾワ(イワーヌシュキナ)兵長の話」
「第10話 モスクワに向かう汽車の中にて」
「第11話 母のところに戻ったのは私一人だけ」
「第12話 お母ちゃんお父ちゃんのこと」
<感想>
ロシアでは大祖国戦争と呼ばれる第二次世界大戦の独ソ戦(1941〜1945)を描いており、ベラルーシとウクライナも戦場だった。
スターリングラード近郊ではドイツ兵の死体が至る所に転がっていて、砲弾を運搬していた女性は、車輪の下で頭蓋骨が折れる音が聞こえると嬉しかったと言う。たじろぐなぁ。
そして、戦争中に75名を殺害した狙撃兵マリヤ・イワーノヴナ・モローゾワは、終戦後、ミンスクの車両工場で経理をしていた。ちゃんと女兵士たちの戦友会もあり、原作者のところには国中から手紙が届くようになったそうだ。
第11話は、戦車部隊の衛生兵ニーナ・ヤーコヴレヴナ・ヴィシネフスカヤの話。
第12話は、ドイツ軍に占領されたベラルーシの村の話。捕虜を身内と偽り引き取ったが、ドイツの司令部に密告された。ドイツ軍は捕虜を村はずれに連れて行き、銃殺したそうだ。そして退却するときは村に火を放ち、何もかも持って行った。戦争以外の思い出がないと言う老婆の話は重いな。
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