<あらすじ>
市役所収納課の正規職員・倉多佑美は昼当番のとき、家出した恋人を捜しているという男の電話を受けた。相手のペースに乗せられて、意図せず個人情報を漏らしてしまう。
数日後、荻窪ひとみと言う芸名で地下アイドルグループ〈中央線防衛軍〉に所属していた、馬場ひとみが市内の公園で刺殺された。被害者は男が捜していた女性だった。
捜査開始直後に、ストーカーによる犯行の可能性が急浮上する。ベテラン刑事・源田孝介は、被害者の住民情報の漏洩があったかどうか確認するため市役所へ行き、調査を依頼する。
事件発生から4日後、犯人と思われる男から市役所に電話があり、佑美は礼を言われた。佑美は後悔の念に駆られ、好奇の目に晒され、辞職に追い込まれた。
3年後、新生活を営む佑美のもとに、税理士事務所に勤務する星谷隆弘が現れ、事件を再検証したいと言い出す。
星谷は中央線防衛軍のデビューライブから欠かさず観ていた、荻窪ひとみ推しの筋金入りのファンだった。事件は既に終わっていたが、この事件には裏があると考えていた。真相を突き止めるため、当時の担当刑事・源田と荻窪ひとみ推しの仲間も呼び出し、裁判ごっこを始める・・・
<感想>
2017年と2020年を交互に描き、時系列順に事件の概要を振り返っており、登場人物たちの予想外な因果関係が明らかになって行く。
真犯人の周到な計画とオタクの熱意などが相まって、凄く面白いミステリだと思う。

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