2022年08月10日

裏切り

ケイト・リンヴィル・シリーズ @
シャルロッテ・リンク 著
浅井晶子 訳 「DIE BETROGENE」

<あらすじ>
イギリスのヨークシャー。寒くて霧深い2月の未明、伝説的な名警部だったリチャード・リンヴィルが自宅で惨殺された。
リチャードは定年退職するまで、多くの犯罪者を刑務所送りにしてきた。地元警察は、残酷な殺害方法から恨みや復讐による犯行と見立て、捜査を進める。
リチャードのたったひとりの子供で、スコットランド・ヤードの刑事でもあるケイトは、アルコール依存症から復帰したばかりのケレイブ・ヘイル警部が、捜査の指揮を執ることに不満を持っていた。捜査が進展しない中、ケイトは長期休暇を取って実家に戻った。
そんなとき、59歳の小学校事務員メリッサ・クーパーが、ケイトの父親のことで話があると連絡してきた。
ところが、彼女も惨殺されてしまう。
メリッサはリチャードの不倫相手だった。しばらく前から追跡・監視されていると脅えていた。メリッサとリチャードが出会った切っ掛けは、16年前のゲームセンター強盗事件だった。
一方、燃え尽き症候群寸前のロンドンのシナリオライター、ジョナス・クレインは、世界の全てから完全に隔絶した暮らしを送るため、妻のステラと5歳の養子サミーを連れて、ヨークシャーの人里離れた農場にやって来た。
ところがそこに、新しい恋人ニール・コートニーに殴られて血まみれになった、サミーの生母であるテリー・マライアンが逃げて来た。その翌日、ニールが現れた。
やがて、ヨークシャー警察が容疑者として捜索中のデニス・ショーブとニール・コートニーは同一人物だと判る。
そして2件の凶悪な殺人事件は、新たな展開を見せる・・・

<感想>
登場人物たちの現況と心情を丁寧に描き、読み応えがある。
主人公は英国で最高の名声を誇るスコットランド・ヤードに勤務する刑事だが、自信を失っていて、友人を見つけることも、男性の心を掴むこともできない、孤独で地味な39歳の独身女性。父親の裏切りを知り、その私生活を調べていくうちに次々と死体に出くわす。
だが、警察とケイトは捜査協力することもなく、犯人像がなかなか見えて来ない。読み進めるに連れ、スリリングな展開になって行き、納屋に閉じ込められたクレイン一家、デニスとテリーの逃走劇、意外な真相などが相まって、凄く面白いミステリだと思う。
舞台はイギリスだが、作者はドイツ人で、このシリーズは現在第3作まで出ていて、9月には第4作が刊行予定とのこと。第2作が楽しみでならない。
満足度 5.gif

posted by ももた at 08:39| 東京 ☀| Comment(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
読んだ本の紹介と感想、評価を書きました。