装画・挿絵 牧野千穂
<内容>
「後立山連峰 五竜岳・鹿島槍ヶ岳(富山県・長野県)」
「北アルプス表銀座縦走路 燕岳・大天井岳・西岳・槍ヶ岳(長野県)」
「立山・剱岳(富山県)」
「武奈ヶ岳(滋賀県)・安達太良山(福島県)」
<感想>
サブタイトルが「続・山女日記」だったので、エッセイだと思っていたら、登山を描いた短編集だった。
「後立山連峰」は、夫の遺志を継ぎ山小屋風喫茶店を営む51歳の女性と、大学時代に山岳部だった45歳の女性のガイド登山。
「北アルプス表銀座縦走路」は、北アルプス三大急登に挑む音大生2人の大切なミッション。
「立山・剱岳」は、山岳ガイドになりたいと打ち明けた途端、半年間絶縁状態が続いている仲良し母娘の話。
「武奈ヶ岳・安達太良山」は書簡形式になっており、大学卒業後に疎遠になった登山仲間が、30年ぶりに単独登山をして人生を振り返る話。
小さな謎と人生ドラマ、登山描写などが相俟って感動的な山岳小説だと思う。
そして、頑張って生きなくてはと思った。登山が無理でもハイキングに行きたくなったな。