2021年11月30日

目の前にシカの鼻息

樋口明雄 著

<内容>
季刊『フライの雑誌』に掲載したアウトドアエッセイに加筆、改題したもの。

「まえがき」「犬と歩む」「ようこそ山小屋へ」「あのころ奥多摩で」「都会のナイフ」「薪を割る」「サルを待ちながら」「クマと生きる」「イセキを渡れ!」「山暮らしインタビュー」「あとがき」

<感想>
著者は若い頃、酷く孤独で群衆やグループに馴染めず、独りで生きて行くしかなくて、ソロトレッカーとして西丹沢の深い山に入り、単独の釣り人として奥多摩通いしていたそうだ。それが後に作家業に生かされていることを思えば、たとえ当時は辛くても人生経験に無駄なものはないと思った。
「愛犬ダンとココのエピソードと里見守り犬プロジェクト」「一軒屋避難小屋通いと渓流釣りの話」「恐怖体験と道迷い」等々、とても興味深く勉強になったな。
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『光の山脈』 『約束の地』
  

C・J・ボックス 『逃亡者の峡谷』 『震える山』
   


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posted by ももた at 22:10| 東京 ☀| Comment(0) | ノンフィクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月29日

カササギ殺人事件

<カササギ殺人事件>シリーズ @
アンソニー・ホロヴィッツ 著
山田蘭 訳 「MAGPIE MURDERS」
カバーイラスト Will Staehle

<あらすじ>
編集者スーザン・ライランドは、担当している作家アラン・コンウェイの人気シリーズである、名探偵アスティカス・ピュントの最新作『カササギ殺人事件』の原稿のコピーを読み始めた。
最後まで目を通したところ、クライマックスというべき結末部分がなかった。抜けていた理由が分からず、苛立ちを募らせていると、アラン・コンウェイ自殺のニュースが飛び込んできた。
遺書によると癌で余命6カ月のアランが、原稿を完成させていなかった可能性もあるが、スーザンは原稿の原本を探すためアランの自宅に出向く。
しかし、『カササギ殺人事件』に関わるものだけが、どこにも無かった。アランの遺書と日記帳を読み、遺体の第一発見者でもあるカーン弁護士、アランの姉クレアと会ったスーザンは、アランの自殺に違和感を抱き、真相追及に乗り出す・・・

<感想>
上巻は作中作、余命僅かな名探偵アスティカス・ピュントのシリーズ最新作『カササギ殺人事件』。アガサ・クリスティ風で面白いと思う。
下巻は、この原稿を読んだ編集者スーザン・ライランドの素人探偵物語。消えた原稿探しが殺人事件の真相解明へ発展して行き、46歳の独身女性スーザンの私生活、アランの途轍もない計画、意外な殺害動機と真犯人などが相俟って面白いミステリだと思う。
しかし、この二重構造は好みが分かれるだろうな。
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『ヨルガオ殺人事件』
   

カリン・スローター『凍てついた痣』  サラ・ピアース『サナトリウム』
      


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posted by ももた at 09:47| 東京 ☀| Comment(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月26日

逃走

薬丸岳 著
装画 岡孝治+石津亜矢子

<あらすじ>
埼玉県入間市にある和歌山ラーメン専門店の店主・秋山正一が何者かに襲われて亡くなった。
秋山は半年前、誤って線路に落下した小学生を救助して警察から表彰されていた。暴行犯が通報した救急車で病院に搬送される間、秋山は「約束を守れなくてすまない」と呟いていた。
警察が傷害致死事件として捜査を開始すると、現場で白いパジェロミニに乗った男が目撃されていた。
やがて、所沢市にある児童養護施設ひかり荘出身の宅配便ドライバー小沢裕輔29歳が、容疑者として浮上する。
小沢裕輔と4歳年下の妹・美恵子は、18年前にひかり荘に入所した。美恵子は、ひかり荘の保育士をしている。裕輔は妹思いで正義感が強い青年だった。
裕輔が逃走したため、警察は彼を指名手配する。入間署の武藤刑事が捜査していくと、裕輔はまるで警察にメッセージを残すかのように逃走していた・・・

<感想>
罪が重くなると分かっていて裕輔はなぜ逃走したのか。妹思いの青年がその妹を辛い目に遭わせてもやりたいことは何だろう。このふたつの謎にそそられて読み進めて行くと、たったひとりの男に破滅させられた家族が浮上する。保険金目当ての殺人事件と替え玉殺人、負の連鎖に暗澹たる思いがする。一気に読める面白いミステリだと思う。
しかし、小学生の記憶を土台にしている。少し無理があるかな。
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『告解』  下村敦史 『悲願花』 『法の雨』
  


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posted by ももた at 08:51| 東京 ☀| Comment(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
読んだ本の紹介と感想、評価を書きました。