2021年08月30日

映画 鳩の撃退法


人気ブログランキング
原作 佐藤正午
音楽 堀米高樹(KIRINJI)
主題歌 『爆ぜる心臓』KIRINJI feat.Awich
監督 タカハタ秀太
出演 藤原竜也 土屋太鳳 風間俊介 西野七瀬
佐津川愛美 桜井ユキ 柿澤勇人 駿河太郎
浜野謙太 岩松了 村上淳 坂井真紀
濱田岳 ミッキー・カーチス リリー・フランキー 豊川悦司


<内容>
直木賞作家・佐藤正午のエンターテインメント小説『鳩の撃退法』を映画化したもの。

<あらすじ>
元直木賞作家の津田伸一は、担当編集者の鳥飼なほみに、執筆中の新作を読ませていた。
津田は1年前、富山の小さな街でデリヘル女優倶楽部のドライバーとして、その日暮らしをしていた。いきつけのコーヒーショップで幸地秀吉と出会い、再会したらピーターパンの本を貸すと約束して別れた。
しかしその後、幸地秀吉は愛する妻子と共に姿を消してしまう。
数か月後、津田の元に帯封のある札束3千万円と1万円札3枚が転がり込む。
ところが、その1万円札は偽札だった。然もこの件には、裏社会のドン・倉田健次郎が関わっていた。床屋の店主の伝手を頼り、津田は高円寺のバーに逃げ込む。
しかし倉田は、偽札の行方と津田の居場所を捜していた。
一方津田の新作を読んだ鳥飼は、この話がフィクションなのか疑問を抱く。訴訟問題に発展することを恐れ、検証に乗り出すが・・・

<感想>
原作が面白かったので、映画化を楽しみにしていた。
この小説の特色であるユニークな登場人物たちが絡むエピソードをしっかり描いており、脇役が良い味を出している。そして、未読の方でも楽しめるストーリー展開になっていると思う。
しかし、偽札事件と失踪事件と一家神隠し事件はお座成りで、少し物足りないかな。
満足度 3.gif



人気ブログランキング
佐藤正午『鳩の撃退法』  石井桃子訳『ピーターパンとウェンディ』
  


人気ブログランキング
posted by ももた at 09:57| 東京 ☁| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月27日

閉じ込められた女

女性刑事フルダ・シリーズ B 完結篇
ラグナル・ヨナソン 著
吉田薫 訳 「THE MIST」

<あらすじ>
本格的な雪の季節になると、スパイクタイヤもチェーンも殆んど役に立たなくなるアイスランド東部の中央高原地帯。
1987年のクリスマス直前、農場を営むエイーナルとエルラ夫妻は、猛吹雪のため家に閉じ込められていた。
そんなとき、道に迷い狩猟仲間と逸れたというレオと名乗る中年男が助けを求めて来た。エルラは不審を抱くが、レオを泊めることにした。
その夜、レオは家の中を嗅ぎ回っていた。翌日、エイーナルはレオを問い詰め、屋根裏部屋に閉じ込めてしまう。恐怖に駆られたエルラは母屋を飛び出し、地下室に逃げ込んだ。
一方、レイキャヴィーク警察犯罪捜査部の女性刑事フルダ・ヘルマンスドッティルは、男性優位の警察社会で常に自分の能力を示すために闘っていた。
しかし、家族の問題を抱えていた。夫のヨンは自営業で忙しくしており、フルダも残業を余儀なくされることが多く、ひとり娘で13歳のディンマは自分の部屋に籠って過ごすようになっていた。また、実母との関係も上手く行っていない。
そうした中フルダは、旅の途中で消息を絶った若い女性ウンヌルとその父親の失踪事件を追うが・・・

<感想>
第1部のエイーナルとエルラ夫妻のエピソードは、自然環境の厳しさと閉塞感が漂い、サスペンスフルで面白いと思う。
しかし、フルダの場面になると、悲劇と判っているだけに歯痒さと苦々しさが先立つ。フルダの人生と心の闇が胸に突き刺さって居た堪れない。
そして、第2部は種明かしになるが、ここに来るまでにしっかりとした伏線があるので驚きはないな。良くできたミステリだと思う。
しかし、読書中に希望が見えないのは辛い。主人公の「逆年代記」という作風は苦手だな。
巻末に、天候次第で孤立してしまう町シグルフィヨルズルの警察官を主人公としたダーク・アイスランド(アリ=ソウル・アラソン)シリーズの短編『雪は静かに降りつもる』が収録されている。これもクリスマスの話で、面白い謎解きになっていると思う。
満足度 3.gif



人気ブログランキング
エリー・グリフィス『見知らぬ人』  ホリー・ジャクソン『自由研究には向かない殺人』
   


人気ブログランキング
posted by ももた at 09:17| 東京 ☁| Comment(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月25日

アーニャは、きっと来る

マイケル・モーパーゴ 著
佐藤見果夢 訳 「WAITING FOR ANYA」
装画 hiroko

<あらすじ>
第二次世界大戦中、ナチス・ドイツがパリに侵攻してフランスを占領した。
フランス南西部、ピレネー山脈の麓にある小さな村レスキュンにも、ドイツ軍が駐屯することになり、主にヒツジやウシを飼って生活している村人の暮らしは一変する。村から山越えの道は、負傷兵やユダヤ人などが国境を抜けて中立国スペインへ逃げるルートになっていたのだ。
ひとりで丘の上の農場に住んでいるオルカーダばあさんと、その娘婿でユダヤ人のベンジャミンは、密かにユダヤ人の子供たちをスペインへ逃がす活動をしていた。その秘密を知ったヒツジ飼いの少年ジョーは、約束を守り誰にも話さなかった。
日にちが経つに連れて、村人たちはドイツ軍占領下の新しい暮らしに馴染んでいく。ベンジャミンたちが匿っているユダヤ人の子供たちは増え続け、12人になっていた。ジョーは、オルカーダばあさんの農場へ食糧を運んでいた。そしていつしかジョーの祖父も、この活動を手伝うようになっていた。
そんな中、4年間もドイツ軍の捕虜になっていたジョーの父が帰還した。ジョーの家族は、ユダヤ人の子供たちをスペインへ脱出させるべく知恵を絞る。村人全員を巻き込み、大掛かりな救出作戦を実行するが・・・

<感想>
児童書だと侮ってはいけない。冒頭のクマ狩りで一気に話に引き込まれた。巧みなプロットとスリリングな展開で読ませる。そして、敵であるドイツ人の伍長とジョーの交流は心を和ませる。
また、脇役も含めどのキャラクターも魅力的だ。ドイツ人の中尉や伍長でさえ憎めない。村を挙げての救出作戦もユニークで面白い。
少年の成長と勇敢で善良な人々を描いた、感動的な小説だと思う。
本書はノア・シュナップ主演で映画化されている。観てみたいな。
満足度 5.gif



人気ブログランキング
ノア・シュナップ『アーニャは、きっと来る』  『キーパー ある兵士の奇跡』
   
スピルバーグ『戦火の馬』  ネビル・シュート『パイド・パイパー 自由への越境』
  


人気ブログランキング
posted by ももた at 09:24| 東京 ☀| Comment(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
読んだ本の紹介と感想、評価を書きました。