装画 相原求一朗
<内容>
元陸軍中将岡田資の法廷闘争とその経過を、資料や証言を基に書き記したもの。
元陸軍中将岡田資(明治23年4月14日〜昭和24年9月17日)は、第13方面軍または東海軍管区司令官として、降下B29搭乗員38名の処刑の責任を問われた。
日蓮宗信者の岡田は、裁判を「法戦」と称して闘い、アメリカ空軍が国際法に違反して軍事目標ではない都市爆撃を行い、無差別に多くの非戦闘員を殺傷したことを立証するも、昭和23年5月、B級戦犯として、横浜の連合軍軍事裁判所で絞首刑の判決を受けた。翌24年9月17日、巣鴨プリズンにて絞首刑執行。
<感想>
元陸軍中将岡田資氏のことは、元陸軍主計大尉冬至堅太郎著『ある「BC級戦犯」の手記』を読んで知った。部下の命を救うため全責任を負って絞首刑になったことは立派だと思い、もっと知りたくなって本書を手にした。この話は映画化もされている。
戦争である以上無差別爆撃も仕方ないと思っていたが、国際戦争法規とか軍律など、自分の無知を思い知らされた。
日本国が敗戦に打ちひしがれアメリカの顔色を窺うしかなかった時、臆することなく勇敢に自論を主張し、アメリカ軍の無差別爆撃を立証、正々堂々と闘い抜いた日本人がいたことを詳しく知ることができ、良かったと思う。
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