早坂隆 著
<内容>
「序章」 「第1章 オトポール事件の発生 姿を消した難民/ハルビン特務機関/アブラハム・カウフマン/第1回極東ユダヤ人大会/樋口の決意」
「第2章 出生〜インテリジェンスの世界へ 淡路島に生まれる/稼業の衰退/三原尋常高等小学校/大阪陸軍地方幼年学校/中央幼年学校/季一郎の手紙/陸軍士官学校/ドイツ語の習得/陸軍大学校受験/陸軍大学校入学/参謀本部付大尉時代/ウラジオストック派遣軍司令部付/ハバロフスク時代/特務機関長に就任/関東大震災/家庭の中での樋口/朝鮮時代」
「第3章 ポーランド駐在〜相沢事件 ポーランド公使館付武官/実母の死/社交界での振る舞い/李王垠のワルシャワ訪問/コーカサスへの旅/青島時代/新聞班に転任/東京警備司令部参謀/桜会/統制派と皇道派/相沢三郎/子どもから見た樋口/福山へ赴任/大亜細亜協会/相沢事件/ドイツ視察旅行/三女から見た樋口季一郎」
「第4章 オトポール事件とその後 少将に昇進/ハルビンへ出発/数字の信憑性/東亜旅行会社の資料/謎の書き換え/ユダヤ人利用論との関係/その後の反応/孫が語るオトポール事件/樋口の真の思い/ゴールデンブック/アミカーム/テルアビブ」
「第5章 アッツ島玉砕 参謀本部第二部長/三国同盟締結/真珠湾攻撃/北部軍司令官に着任/アッツ島の戦備/戦備の調査/北方軍に改組/山崎保代大佐/アッツ島上陸作戦の開始/哀しき再会/アッツ島玉砕/月寒訪問/キスカ撤退作戦の開始/帰還/英霊の加護/合同慰霊祭/常不軽寺」
「第6章 占守島の戦い 東條との再会/兵力の移転/空襲/対ソ戦開始/ポツダム宣言受諾/終戦後の戦い/占守島の戦闘/停戦命令/占守島の戦いの意味」
「最終章 軍服を脱いで 朝里へ/東京裁判/戦犯容疑/アッツ島玉砕雄魂之碑/永眠/大磯に眠る」
「あとがき」 「樋口季一郎年譜」
<感想>
情報将校・樋口季一郎と影佐機関(梅機関)は、以前読んだ上田早夕里著『ヘーゼルの密書』で知った。「占守島の戦い」も北方領土問題関連本で知っていた。
でも、「アッツ島玉砕」についてはその場所すら知らなかった。「オトポール事件(満州でのユダヤ難民救出劇)」もそんな事があったことさえ知らなかった。ユダヤ人救済に関係した日本人は、外交官の杉原千畝氏だけではなかった。
そして、増援の放棄(事実上の見殺し)を伝えられたアッツ島守備隊長・山崎保代大佐の返電に胸を打たれた。この時代の人は凄いな。とても興味深く、勉強になった。
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