アリスン・モントクレア 著
山田久美子 訳 「THE RIGHT SORT OF MAN」
カバーイラスト 亀井英里
<あらすじ>
1946年ロンドン。戦争で心に深傷を負ったアイリス・スパークスとグウェン・ベインブリッジは、メイフェアの奇跡的に戦禍を免れた建物の一室で、ライト・ソート結婚相談所を開業した。
3カ月後、入会したてのドレスショップの店員ティリー・ラ・サルに、労働者階級出身の誠実な青年会計士ディッキー・トロワーを紹介した。
ところが1週間後、ティリーがナイフで刺殺された。結婚相談所は警察の訪問を受け、ディッキーが逮捕された。善人のグウェンは彼の潔白を確信していた。そしてティリーは、偽造の衣料切符を使って逮捕された前科があった。
スキャンダルで事業が財政的窮地に立たされたアイリスとグウェンは、探偵業に乗り出すが・・・
<感想>
主人公はアラサーの女性ふたりで、戦時中に特殊作戦の訓練を受けて情報部の仕事をしていたアイリスと、上流階級出身で貴族と結婚したものの戦争未亡人となり、6歳の息子ロニーと義理の両親の屋敷に居候している心優しいグウェン。ふたりとも観察眼が鋭くて、グウェンは人を見る目もあり、アイリスには軍と警察にコネ(アンドルー・サットン少佐の愛人で、ロンドン警視庁の刑事マイク・キンジーは元婚約者。)がある。そんなふたりがコンビを組んだら最強だった。
終戦直後の社会事情やアイリスとグウェンの個人的な問題、予想外の真相などが相俟って、とても面白いコージーミステリだと思う。
王室からの依頼でエリザベス王女の恋のお相手、フィリップ王子の身辺調査をすると言う第2作『A Royal Affair』(2020)が楽しみでならない。
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