2021年04月05日

警部ヴィスティング 鍵穴

警部ヴィスティング・シリーズ L(コールドケース4部作A)
ヨルン・リーエル・ホルスト 著
中谷友紀子 訳 「Det innerste rommet」
カバーイラスト 光嶋フーパイ

<あらすじ>
元国会議員バーナル・クラウセンが、心臓発作で急逝した。クラウセンは妻と息子に先立たれ、孤独の身の上だった。
クラウセンの臨終に立ち会った労働党幹事長ヴァルテル・クロムが、機密文書の有無を確認するため彼の別荘を訪ねたところ、巨額の外国紙幣が詰まった段ボール箱を発見した。
ヴィスティング警部は、ヨハン・オーラヴ・リング検事総長から直々に、政府や政党の上層部も心当たりがないこの不審な大金の出所について調べるよう、極秘任務を命じられた。
ベテラン鑑識員エスペン・モルテンセンと一緒に別荘に赴き、段ボール箱とゲストブックを自宅に持ち帰り、地下室に保管した。札束が詰まった段ボール箱の中には、電話番号のメモ、短いケーブル、製造元の刻印がない鍵も入っていた。
ヴィスティングは、2歳の孫娘アマリエを育てるシングルマザーで、フリーランスの記者となった娘のリーネを捜査チームに加える。
翌朝、クラウセンの別荘が放火され、全焼した。その現場でヴィスティングは、リング検事総長から密告状のコピーを渡された。それは、この付近で22歳の若者シモン・マイエルが消息を絶っており、クラウセンの関与を仄めかす匿名の手紙だった。ヴィスティングたちは、放火の捜査という形で訊きこみ捜査を開始する。
クラウセンが死後に残した巨額の現金の謎を追うが・・・

<感想>
小さな手がかりを追うと、過去の未解決事件が浮上し、ヴィスティングたちはその流れに導かれるように様々な要素を集めて全体像を組み立てて行く。
3人で着手した極秘捜査は放火事件と失踪事件が絡み、複雑な様相を見せ、空港の現金強奪事件の捜査官アウドゥン・トゥーレと、クリポス未解決事件班のアドリアン・スティレルもチームに参加する。
そこからはもう一気にことが動き出し、暴行と脅迫と罠、戦術ゲームに逮捕劇など、スリルとサスペンスに富んだ展開になっており、目が離せない。凄く面白い北欧ミステリだと思う。続編が楽しみでならない。
満足度 5.gif



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posted by ももた at 09:03| 東京 🌁| Comment(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月02日

天皇家の家計簿

宝島社皇室取材班 著

<内容>
天皇陛下を中心とする皇族と、その周辺で仕事をする人々の生活事情を、経済的な視点から読み解く入門書。

「1章 皇室費@ 天皇家の生活を支える「内廷費」」
「2章 皇室費A 宮家の品位を支える「皇族費」」
「3章 皇室費B 皇族の公費「宮廷費」」
「4章 宮内庁費」
「5章 皇室の財産」
「6章 眞子さまの「品位ある」生活」
「付録 皇室典範・皇室経済法・皇室経済法施行法」

<感想>
憲法第1条で天皇を「日本の象徴であり、日本国民の統合の象徴」として定めている。
皇室費の原資は全て国民が納税した「税金」でありながら、皇族の生活費などこれまで考えたことも無かったが、眞子さまの結婚問題で関心を持つようになった。
「内廷費」は天皇家(天皇皇后両陛下、上皇ご夫妻、愛子さま)のポケットマネーで年間3億2400万円(非課税)。
「皇族費」は7宮家のポケットマネーで年間総額3億652万円(非課税)。
このうち秋篠宮家全体では年間1億2810万円で眞子さまに直接支給されている皇族費は年間915万円。(使途は非公開、剰余金をプールできる。)
「宮廷費」は公務などにかかる必要経費とのことで、2020年度は約109億8007万円。
お住まいになられている土地建物、各地にある御用地、御用邸などの不動産は、国有財産(皇室用財産)なので税金はかからない。
2020年度の「宮内庁費」は、約122億4877万円等々、勉強になった。
しかし、週刊誌記事やネット記事みたいな内容だと思った。
満足度 3.gif



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皇室辞典編集委員会『皇室辞典 令和版』  安積明子『眞子内親王の危険な選択』
   


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posted by ももた at 08:45| 東京 ☁| Comment(0) | ノンフィクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
読んだ本の紹介と感想、評価を書きました。