ロバート・クレイス 著
高橋恭美子 訳 「A DANGEROUS MAN」
<あらすじ>
2人組みの男が銀行の前で白昼堂々と、銀行の窓口担当のイザベル・ローランドを拉致したとき、海兵隊あがりの元警官で私立探偵事務所を営むジョー・パイクは、通りの反対側にいた。
人生の大半を暴力と共に生きて来たパイクは、男たちを追跡して制圧する。彼女を救出して、警察に拉致犯を引き渡した。
ところが3日後、イザベルがパイクの電話にメッセージを残し失踪した。
同じ日の午後、2人組みの男は保釈直後に処刑されていた。そして2週間前には、イザベルの両親の友人で元連邦保安官でもあるテッド・ケンプが拷問を受けた挙げ句、殺害されていた。
そこでパイクは、私立探偵エルヴィス・コールの手を借りてイザベルの行方を追うが・・・
<感想>
現代の日本社会では、上品で社会的地位もある権力者が法の目をすり抜けて世間を欺き、無知な一般人は、特権に刃向うこともできずに泣き寝入りするしかない。道義的に不審でも何もできない。
ところが本書は、当然のように正義が勝つ。善人と悪人、きちんと住み分けが出来ている。そのキャラクター造形もユーモラスで愉しい。
ジョー・パイクのカッコ良さが際立つ単純なストーリーだけど、スリル満点のうえ、執念の恐ろしさとか口は災いの元などの教訓もあり、好ましい。スカッとしたな。読後感がとても良いミステリだと思う。
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