2018年01月16日

海の見える理髪店

荻原浩 著
装画 新目惠

<内容>
「海の見える理髪店」「いつか来た道」「遠くから来た手紙」「空は今日もスカイ」「時のない時計」「成人式」を収録した短編集。

<感想>
心に抱えている思いは人それぞれ、誰にもその人なりの人生ドラマがある。親子の再会や小学生の夏休みの冒険などを描いており、人生平穏無事が何よりだけど、無我夢中で生きてきた想い出があれば、孤独にも耐えられそうな気がした。
そして他人の何気ない気遣いや思いやり、笑顔は人を和ませる。誰かの励みとなる。素直にそう思えた。
優しい気持ちにさせてくれる短編集だと思う。
満足度 3.gif



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宮下奈都『羊と鋼の森』 恩田陸『蜂蜜と遠雷』 佐藤正午『月の満ち欠け』


奥田秀朗『向田理髪店』 小川糸『ツバキ文具店』 有川浩『キャロリング』



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2018年01月15日

戦争がつくった現代の食卓

軍と加工食品の知られざる関係
アナスタシア・マークス・デ・サルセド 著
田沢恭子 訳 「COMBAT-READY KITCHEN」


<内容>
「第1章 子どもの弁当の正体」
「第2章 ネイテック研究所―アメリカ食料供給システムの中枢T」
「第3章 軍が出資する食品研究―アメリカ食料供給システムの中枢U」
「第4章 レーションの黎明期を駆け足で」
「第5章 破壊的なイノベーション、缶詰」
「第6章 第二次世界大戦とレーション開発の立役者たち」
「第7章 アメリカの活力の素、エナジーバー」
「第8章 成型肉ステーキの焼き加減は?」
「第9章 長もちするパンとプロセスチーズ」
「第10章 プラスチック包装が世界を変える」
「第11章 夜食には、3年前のピザをどうぞ」
「第12章 スーパーマーケットのツアー」
「第13章 アメリカ軍から生まれる次の注目株」
「第14章 子どもに特殊部隊と同じものを食べさせる?」

<感想>
近代の食品微生物学、食品加工研究、世界の主要な軍事国家とその戦闘糧食など、そそられる内容が盛り沢山で、とても興味深く、勉強になった。
また、食品だけでなく、軍関連の色々な発見と発明、イノヴェーションにまで話題が広がり、最後まで飽きさせない。
戦争がいかにアメリカ経済の発展と国民生活に多大な影響を及ぼしているか、巨大軍需産業について分かり易く書いており、凄く面白い本だと思う。
満足度 5.gif



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『海軍さんの料理帖』  『世界を食べよう! 東京外国語大学の世界料理』
   

『歴メシ! 世界の歴史料理をおいしく食べる』  『食べる世界地図』
   


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2018年01月13日

天使の棲む部屋

問題物件シリーズ A
大倉崇裕 著
装画 庄野ナホコ

<内容>
不動産会社のクレーム専門のOL若宮恵美子を主人公とした短編集。
「天使の棲む部屋」「水の出る部屋」「鳩の集まる部屋」「終の部屋」の4話を収録。

<感想>
「問題物件」にそそられたが、探偵役は犬のぬいぐるみの化身、全て魔法で解決してしまう。拍子抜けして真面目に読む気が失せた。
ミステリとファンタジーとコメディを融合した、漫画みたいな短編集だと思う。
満足度 2.gif



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『問題物件』  『樹海警察』
   

『小説 名探偵コナン から紅の恋歌』  若竹七海『御子柴くんと遠距離バディ』
   


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2018年01月12日

嫁をやめる日

垣谷美雨 著

<あらすじ>
小さな路面電車が走る、港の見える街長崎。東京育ちの夏葉子は、夫の転勤で、夫の故郷へ引っ越した。精神的な結びつきが希薄な他人同士みたいな夫婦だが、赤煉瓦の可愛らしい自慢の家に住み、夏葉子はタウン情報誌のパート記者として働き、週に何回かフィットネスクラブに通い、同世代の気の合う友人もできた。
そうした中、15年連れ添った夫が脳溢血で急死した。東京出張だと言っていたのに、死んだ場所は地元のホテルだった。
夏葉子は葬儀中に頭の中で金の計算をする。今まで味わったことのない解放感が胸に広がった。正真正銘の自由を手に入れたのだ。
ところが葬儀後、夫の親族に包囲されてしまう。由緒ある旧家の嫁と言う立場を強く認識させられる羽目になり・・・

<感想>
現代の家族・親族関係の実情と社会の風潮を描いた、面白い小説だと思う。
人間関係の適切な距離感を保つのは難しい。少し寂しいけれど嫁にとって亡夫の親族は、子供がいなければ赤の他人だ。自分の人生でさえままならないのに、これ以上の重荷を背負えない。姻族関係修了届と復氏届を提出した主人公の選択は、致し方のないことだと思った。
しかし、40半ばにもなって男親を頼るのは如何なものか。それに最後のドンデン返しはいらない。主人公にとってあまりにも都合が良くて逆にシラケたな。
満足度 3.gif



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『七十歳死亡法案、可決』 『後悔病棟』  真梨幸子『お引っ越し』


朝比奈あすか『不自由な絆』  泰建日子『ザーッと降って、からりと晴れて』
   


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ラベル: 星3 垣谷美雨
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2018年01月11日

法廷ライターまーこと裁判所へ行こう

岡本まーこ 著
にしかわたく 画

<内容>
小さな記事を書いて日銭を稼いでいる30を超えた女性フリーライターの視点で綴った、脱力系裁判傍聴記コミックエッセイ。

「1.裁判傍聴にハマった日」
「2.傍聴のお作法」
「3.事件の裏にはリアルなドラマがある/傍聴コラム@私がなんとか生きているのは傍聴猫むーこのおかげ!?」
「4.キメてくれるぜ裁判官!/傍聴コラムA仕事、傍聴、むーこのお世話。地味な生活一挙公開!」
「5.無垢なる乙女と懲りない男/傍聴コラムB裁判の見方を教えてくれた傍聴の大先輩たち」
「6.刑務所の友情は被告を救えるか!?/傍聴コラムC傍聴まーこの野望はいろんな国での裁判傍聴!」
「7.法廷で感じる異国情緒/傍聴コラムD狭いながらも楽しい我が家、通称ギャルハウス」
「8.親子被告人の奇妙なギャップ/傍聴コラムE初心を思い出させてくれたフレッシュ傍聴ギャル」
「9.傍聴席もスリル満点!!/傍聴コラムF傍聴で性格が悪くなった!?傍聴の思わぬ弊害」
「10.人を殺した人を目の前にして(前編)」
「11.人を殺した人を目の前にして(後編)/傍聴コラムG釈放された被告人の軽やかなステップにエール」
「12.初めての裁判員裁判傍聴!!/傍聴コラムHその土地の食事を楽しみにたまには地方遠征も」
「13.上級傍聴マニュアル」
「14.これから刑務所へ行きます/傍聴コラムI裁判所も近いし緑も多い。住んじゃいたいぞ霞が関!」
「15.裁判員になってみた!!/傍聴コラムJ未体験ゾーンにご案内。私は傍聴ガイドさん?」
「これにて閉廷/プハーin日比谷公園」

<感想>
「予約や審査など事前の手続きは一切なしで、裁判傍聴は誰でもできる」ことは知っていたが、映画やライブに行くより気楽で簡単なことが判った。
傍聴の手順、マナー、初心者におススメの裁判などを、痒いところに手が届くような感じで詳しく丁寧に書いており、とても興味深く、勉強になった。
また、文章や漫画、コラムも楽しくて最後まで厭きない。
初心者にとって凄く役に立つ、傍聴マニュアルだと思う。
満足度 5.gif



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『法廷ライターまーこは見た!漫画裁判傍聴記』


阿蘇山大噴火
『裁判狂時代―喜劇の法廷★傍聴記』『裁判狂事件簿―驚異の法廷★傍聴記』
   


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2018年01月10日

消えたはずの、

エイミー・ジェントリー 著
青木創 訳 「GOOD AS GONE」

<あらすじ>
初秋のある夜、大学教授アナと会計士トムの13歳の娘、ジュリーが見知らぬ男にナイフを突きつけられて自分の部屋から連れ去られた。
10歳の妹ジェインは、クローゼットの中からそれを見ていたが、恐怖に凍り付いて座り込んでいた。ジェインの半狂乱の泣き声で、両親が起こされたのは3時間も経っていた。
8年後、残された家族は悲嘆に暮れて過ごしていたが、ある日突然、消えたはずのジュリーが家に帰ってきた。警察の事情聴取で、ジュリーは想像を絶する悲惨な経験を語り、両親は胸を痛める。
数週間が過ぎた頃、アナはジュリーに対して不信感を抱くようになる。
そんなとき、ジュリーの誘拐事件をずっと調べていた私立探偵メルカードから連絡が入る。
死後8年から10年が経過した13歳の少女の遺体がヒューストンで発見されていた。
メルカードは恐ろしい仮説を提示するが・・・

<感想>
最後の「ママたちに会えなくて寂しかったから」という言葉に救われる思いがした。家族の再生を描いた、面白いミステリだと思う。
しかし、エピソードや筋書きに以前読んだミステリの影がちらつき、既視感を拭えない。
思春期の少女の初恋と新興宗教と罪悪感と疎外感、このありきたりの組み合わせを、巧みに織り込んでいるが、真相を知り、一気に興醒めした。
女の子って本当に面倒くさいな。親になるのは覚悟がいると思った。
満足度 3.gif



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エリス・ピーターズ『雪と毒杯』 ヴァレリー・ギアリ『蜂のざわめき』
   

シャナ・デリオン『ワニの町へ来たスパイ』 ドット・ハチソン『蝶のいた庭』
   


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2018年01月09日

昭和の「黒幕」100人 完全保存版

戦後史を操った「真の実力者」100人の素顔 闇に光が差し「時代」が動いた
別冊宝島編集部 編

<内容>
戦後日本を動かした陰の実力者たちを広いジャンルから選出し、その生き様と伝説を読み易く解説したもの。

昭和の10大黒幕 内閣総理大臣 田中角栄/右翼・フィクサー 児玉誉士夫/日本船舶振興会初代会長 笹川良一/国際興業社主 小佐野賢治/読売新聞社社主 正力松太郎/三代目山口組組長 田岡一雄/内閣総理大臣 岸信介/内閣総理大臣 中曽根康弘/創価学会名誉会長 池田大作/フィクサー 許永中」

1章 闇の光 稲川会初代会長 稲川聖城/東声会会長 町井久之/プロレスラー 力道山/東興業社長・俳優 安藤昇/右翼活動家 万年東一/二代目稲川会会長 石井隆匡/山口組若頭 宅見勝/後藤組組長 後藤忠政/五菱会幹部 梶山進/三幸建設工業会長 四元義隆/右翼活動家 矢吹一夫/右翼活動家 三浦義一/右翼活動家 西山廣喜/大日本愛国党総裁 赤尾敏/現代評論社社長 木島力也/総会屋 芳賀龍臥/総会屋 小川薫/論談同友会会長 正木龍樹/国会タイムズ会長 五味武/総会屋 小池隆一」

2章 権力の光芒 内閣副総理大臣 緒方竹虎/自民党副総裁 大野伴睦/自民党幹事長 橋本登美三郎/自民党副総裁 川島正次郎/内閣官房長官 後藤田正晴/自民党幹事長 野中広務/自民党副総裁 金子信/自民党税務調査会長 山中貞則/内閣総理大臣 竹下登/参院自民党幹事長 青木幹雄/内閣総理大臣 森善朗/参院自民党会長 村上正邦/徳洲会理事長 徳田虎雄/読売新聞社社筆 渡辺恒雄/田中角栄秘書 佐藤昭子/田中角栄秘書 早坂茂三/参議院副議長 山東昭子/新日本観光会長 糸山英太郎/占い師 藤田小女姫/スカルノ大統領夫人 デヴィ・スカルノ」

3章 カネと思想 東急電鉄創業者 五島慶太/東邦電力社長 松永安左エ門/西武グループ創始者 堤康次郎/大映社長 永田雅一/東洋郵船社長 横井英樹/陽明学者 安岡正篤/作詞家・作家 川内康範/天風会総裁 中村天風/フジ・インターナショナルアート社長 福本邦雄/野村證券会 長瀬川龍三/電通第4代社長 吉田秀雄/電通会長・顧問 成田豊/キョート・ファンド会長 山段芳春/佐川急便創業者 佐川清/武富士創業者 武井保雄/ハンナングループオーナー 浅田満/リクルート会長 江副浩正/ソフトバンク社長 孫正義/船井総合研究所創業者 船井幸雄/京セラ創業者 稲森和夫/西武鉄道グループオーナー 堤義明/最福寺法主 池口恵観/幸福の科学総裁 大川隆法/日本赤軍最高幹部 重信房子/大蔵省事務次官 斎藤次郎/財務事務次官 武藤敏郎/初代内閣安全保障室長 佐々淳行/占術家 細木数子/東京スポーツ会長 太刀川恒夫」

4章 メディア・芸能界・スポーツ界の黒幕たち テレビ朝日専務 三浦甲子二/NHK第15代会長 島桂次/NHK第17代会長 海老沢勝二/日本テレビ会長 氏家齊一郎/徳間書店創業者 徳間康快/新潮社取締役 齋藤十一/幻冬舎社長 見城徹/作家・漫画原作者 梶原一騎/K−1創始者 石井和義/プロ野球監督 根本隆夫/高野連初代会長 佐伯達夫/高野連事務局長 田名部和裕/ジャニーズ事務所創業者 ジャニー喜多川/バーニングプロダクション社長 周防郁雄/ケイダッシュ会長 川村龍夫/作詞家・プロデューサー 秋元康/日本大学理事長 田中英壽/将棋連盟会長米長邦雄/社台グループ創業者吉田善哉/馬主近藤利一」

コラム/戦前の黒幕たち/民族派のカリスマ野村秋介の苛烈な自決/阿倍家を仕切るゴッドマザー・総理の母・阿倍祥子の発言力/黒幕たちの素顔を伝える米国立公文書館の文書」

<感想>
キングメーカー、首領と呼ばれた男、元祖メディア王、カリスマ、妖怪、ゴッドファザー、バブルの怪人など、アクの強い男たちが揃っている。黒幕なので大事件絡みの人が多く、極道、右翼、総会屋の暗躍も見逃せない。昭和は凄い時代だった。戦後史を読み解く上で、とても興味深い本だと思う。
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『日本の「黒幕」100名言』  マイケル・ウルフ『Fire and Fury/炎と怒り』
   

矢部宏治『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』


江崎道朗『日本は誰と戦ったのか』  倉山満『工作員・西郷隆盛 謀略の幕末維新史』
   


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2018年01月05日

凍りつく心臓

元保安官コーク・オコナー・シリーズ @
ウィリアム・K・クルーガー 著
野口百合子 訳 「IRON LAKE」

<あらすじ>
カナダとの国境に近い、アメリカのミネソタ州アイアン湖畔にある小さな町オーロラ。
雪嵐の中、新聞配達に出たインディオの少年ポール・ルボーが行方不明になった。ポールの母親から相談を受けた元保安官コーク・オコナーは、最後の配達先だった老判事ロバート・パラントの屋敷へ行き、老判事の死体を発見する。
老判事は癌を患っており、医者から余命2、3カ月と言われていた。ウォリー・シャノー保安官は、老判事は自殺し、ポール少年は失踪していた父親に連れ去られたと断定する。
違和感を抱いたコークが独自に調査を進めると、正体不明の男たちから暴力を伴う警告を受け、家も荒らされた。3人の子どもたちを愛しているコークは、恋人モリー・ヌルミと別れて夫婦関係を修復しようと決心する。
そんな中、またしてもコークは、元海兵隊員ハーラン・リットンの死体を発見する。そして遺体の下から、別居中の妻ジョーとサンディ・パラント上院議員の不義の証拠写真を見つけた。
次いで、シャノー保安官に発砲したカジノの支配人、ラッセル・ブラックウォーターが逃走中に事故死した。ブラックウォーターの使い込みを知ったリットンは、彼を脅迫していた。
シャノー保安官は事件にピリオドを打つが、釈然としないコークは引き続き調査を進める・・・

<感想>
仕事も家庭も挫折した主人公のコーク・オコナーは、贅肉が付き始めて禿げかかっている中年男。景観描写が素晴らしく、もの悲しくて、切なくて、やり切れなくて、心を揺さぶる話になっている。自然の厳しさと人々の暮らしぶり、アメリカ・インディアンの歴史と伝説、偏見と差別が相俟って、凄く読み応えのあるミステリだと思う。
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C・J・ボックス『狼の領域』  アンデシュ・ルースルンド『ボックス21』
   

モンス・カッレントフト『刑事ザック夜の顎』  アーナルデュル・インドリダソン『声』



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2018年01月04日

カンパン夫人

フランス革命を生き抜いた首席侍女
イネス・ド・ケルタンギ 著
ダコスタ吉村花子 訳 「Ines de KERTANGUY」
カバー絵 ジョゼフ・ボーズ
(カンパン夫人旧姓ジャンヌ=ルイーズ=アンリエット・ジュネの肖像)

<内容>
フランス王妃マリー=アントワネットの首席侍女だったカンパン夫人の『回想録』を基に、資料や書簡から歴史の側面を丁寧に拾い上げ、読みやすく綴った評伝。

「第1章 幼少時代から宮廷入りまで」  「第2章 王妃付き侍女」
「第3章 王妃付き首席侍女」  「第4章 サン=ジェルマン学院開校」
「第5章 レジオン・ドヌール教育学院エクアン校校長」

<感想>
フランス革命やマリー=アントワネットと宮廷生活、ナポレオンの治世などを、歴史小説風に書いており、読み易く面白い。
しかし、印象に残ったのは、二度の政変を強かに生き抜いた肝心のカンパン夫人ではなく、マリー=アントワネットとナポレオンの義娘でオランダ王妃となるオルタンス・ド・ボアルネであり、中傷がもたらす災いと頂点にある者を襲う人生の逆転劇だった。
面白い読み物だけど、物足りなさも拭いきれないな。
満足度 4.gif



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スーザン・ネーゲル
『マリー・テレーズ 恐怖政治の子供、マリー・アントワネットの娘の運命』


デボラ・キャドベリー
『ルイ十七世の謎と母マリー・アントワネット 革命、復讐、DNAの真実』


ミシェル・サポリ
『ローズ・ベルタン マリー・アントワネットのモード大臣』


石井美樹子
『マリー・アントワネットの宮廷画家 ルイーズ・ヴィジェ・ルブランの生涯』



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2018年01月03日

顔のない男

刑事ファビアン・リスク・シリーズ @
ステファン・アーンヘム 著
堤朝子 訳 「OFFER UTAN ANSIKTE」

<あらすじ>
ストックホルム警察を辞めたファビアン・リスクは、妻とふたりの子供と共に故郷であるスウェーデン南部の港町ヘルシンボリに引っ越しきた。
新居に到着した途端、ヘルシンボリ警察犯罪捜査課におけるファビアンの新しいボス、アスリッド・トゥーヴェソンがやって来て、基礎学校9年生のときの同級生ヨルゲン・ポルソンが殺されたと告げた。
技術科教師だったヨルゲンは、自分が勤務する学校で両手首を切断された惨殺死体となって発見された。犯人は現場に9年生のときのクラス写真を残しており、ヨルゲンの顔には×印が記されていた。
ヨルゲンはいじめの加害者だった。親友のグレン・グランクヴィストと常につるんでおり、当時の被害者はクラース・メルヴィークだった。ファビアンは休暇を返上して捜査に加わるが・・・

<感想>
次から次へと惨殺事件が起きて翻弄される。動機が判っても、犯人を絞り込めない。捜査チームの人間模様と相まって、とても面白い北欧ミステリだと思う。
しかし、暴力とセックスと虐めが蔓延している。主人公のファビアン・リスクは暴走し、ストックホルム勤務のとき同僚を見殺しにしたのに、本書でも無関係の少女を巻き添えにした。事件解決を優先するあまり、面倒なことを避け、親の務めを蔑ろにしている。想像力の欠如に腹が立つ。
それに死人が多すぎる。まるでゲーム感覚だった。
最後まで面白く読めるが、感動は無いだろう。
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ダヴィド・ラーゲルクランツ『ミレニアム5 復讐の炎を吐く女』
   


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読んだ本の紹介と感想、評価を書きました。